著者
石田 陽介
出版者
環境芸術学会
雑誌
環境芸術 : 環境芸術学会論文集 (ISSN:21854483)
巻号頁・発行日
no.12, pp.69-76, 2013-10-26

まちそのものが抱える病理を診立て、アートシェアリング活動の推進を以て地域社会におけるケア文化のリハビリテーションを図っていくことは出来ないか。「アートで私をリハビリテーションする」ことを目指すコミュニティアート活動と、「アート(自体)を私がリハビリテーションする」地域での社会芸術教育活動を接続させながら、福岡市箱崎地区において2009年より2013年現在までの五年以上に渡って継続的に展開している。この二つのリハビリテーションを通して、ケア文化が豊かに循環する地域創造活動を'ソーシャル・アートセラピー'と位置づけたい。地域住民のLife (暮らし・人生・生命)に根ざすコミュニティアート・プロジェクトのアクションリサーチを通して'ソーシャル・アートセラピー'の果たしうる機能とその構造について考察していく。
著者
工藤 安代
出版者
環境芸術学会
雑誌
環境芸術 : 環境芸術学会論文集
巻号頁・発行日
no.1, pp.5-12, 2001-12-25

この小論は,現代パブリックアートにおけるメモリアルの担う役割が変容している事について論じる。最初に,ロダンがカレー市のために制作したメモリアルについて言及し,メモリアルにおける近代的思考の始まりをその作品を通して検証する。ロダンの『カレーの市民』は,政治的,そして権威的に歴史を賞賛し単一的価値を教化するものとして存在した中世におけるメモリアルのコンセプトを明確に否定した出発点として捉えられる。次に2人の現代若手アーティストによる重要なメモリアルについて,それをめぐる論争に焦点を絞り分析する。マヤ・リンによる『ベトナム・ベテランズ・メモリアル』とレイチェル・ホワイトリードのウィーン市における『ホロコースト・メモリアル』に関して,その立地場所やアーティストが選ばれた経緯,そして建設における一連の賛否両論の討議から検証する。最後に,両作品に纏わる論争を分析し,両者の共通点と相違点を考察する。さらにこの小論において,いかなるメモリアルが現代社会において可能であるか検討し,また社会的価値を持つことができるか検証することを試みる。
著者
柴田 葵
出版者
環境芸術学会
雑誌
環境芸術 : 環境芸術学会論文集 (ISSN:21854483)
巻号頁・発行日
no.9, pp.81-86, 2010-03-31

「彫刻シンポジウム」とは、彫刻家たちが一定期間特定の場所に滞在し、彫刻の公開制作を行うことを旨とする活動である。一方、「アーティスト・イン・レジデンス」Artist in Residence(AIR)とは、国内外から芸術家を招聘し、創作活動やコミュニティとの交流を支援する事業である。両者は互いに共通する側面をもった芸術活動の形態であり、密接な関係性を有しているにも関わらず、これまでこの二つが関連付けて論じられる機会はほとんどなかった。そこで本稿では、我が国におけるAIRの先駆的形態としての彫刻シンポジウムの要素に着目し、彫刻シンポジウムとAIRとの関連性・連続性を論じることを試みる。
著者
多田 満
出版者
環境芸術学会
雑誌
環境芸術 : 環境芸術学会論文集 (ISSN:21854483)
巻号頁・発行日
no.9, pp.93-96, 2010-03-31

科学(生態学)からみた環境(生態系)は、その構造と機能により、人とは生態系サービスにみられる物質的なつながりだけでなく、文化や芸術を生み出す精神的なつながりをもっている(環境-科学)。また、ルネッサンス期以降、とりわけ絵画においては、自然観察や解剖学の知識を作品に表現したレオナルド・ダ・ビンチ(「科学の表現」)や量子物理学や分子生物学の知識を作品に融合したサルバドール・ダリ(「科学の融合」)にみられるように、科学(その技術)は芸術と結びついてきた(科学-芸術)。人(主体)が、ある時・空間との「つながり」を意識したとき、その時・空間は環境として認識される(「環境認識」)。ジェームズ・タレルは、科学と芸術を結びつけた作品(科学-芸術)において、人に変化する時・空間とのつながりを意識させることで、「環境認識」から環境と作品を結びつけている(環境-科学-芸術)。
著者
高橋 綾 宇田 恵
出版者
環境芸術学会
雑誌
環境芸術 : 環境芸術学会論文集 (ISSN:21854483)
巻号頁・発行日
no.8, pp.21-28, 2009-03-31

この「あかりアートプロジェクト」は、人の内面に響く力を持つ「あかり」をテーマにした作品を制作・展示することにより「人の心を癒す」という効果を病院という環境において得、ひいてはその環境に美術を根付かせるきっかけになれば、という考えから始まった。大学のある群馬県玉村町地域で唯一の内科系病院である角田病院に大学側から提案され、これまで、以下のように、その狙いの下に学生の作品の展示、そのツアー発表が行なわれて来た。・2006年「癒しのあかり展」学生作家(11名12作品)(開催期間:展覧会6月20日〜7月3日/ツアー6月24日) ・2007年「コミュニケーションから生まれたあかり展」学生作家(9名13作品)(開催期間:展覧会7月10日〜30日/ツアー7月28日)この企画の進行に伴い、学生の態度に主体的な変化が生まれただけでなく、健康診断に始まり、次いで病院側が広報誌のデザインを大学へ依頼したことから進展した当病院と大学とのアートを媒介にした共同関係は更に深まることとなった。病院側にも美術を受け入れる自然な姿勢が生み出されたが、この当企画の継続により、病院関係者の自分達の環境美化の可能性とその必然性に対する意識を更に深化させたいと考えている。
著者
荒川 忠一 有賀 清一 飯田 誠
出版者
環境芸術学会
雑誌
環境芸術 : 環境芸術学会論文集
巻号頁・発行日
no.1, pp.13-19, 2001-12-25

風車の普及に伴い,景観との適合を含めた新しいデザインの機運が高まってきている。ドイツにおいてはハノーバーのEXPOと時を同じくして3台のアート風車が出現した。コペンハーゲン近<の海上には,美しい弓形に配置された20台の洋上風車が完成した。このように風車を単なるエネルギー機械として捕らえるのではなく,人々のメッセージを伝えるインスタレーションの役割を担わせることが可能となりつつある。本研究は,ヨーロッパ諸国の新しい風車のデザインやその背景を紹介しながら,「ヴァナキュラー風車」の提案を行うものである。つまり,エネルギー経済性の観点から大量に風車が設置される可能性があり,高さ100m近い大型風車が50年後には1都道府県あたり2,000台とも予想される。このような状況において,景観に適合することはもちろん,地域の文化や情報を発信することのできるデザインが必要となる。本来の風車の性能を維持しつつ,豊かなデザイン性を発揮するためには,風車タワーの形状,カラーリング,そして風車の配置などに工夫を凝らすことができる。東北地方および東京を具体的な対象地域として,ヴァナキュラー性を有した風車デザインの具体例を紹介する。
著者
八木 健太郎 竹田 直樹
出版者
環境芸術学会
雑誌
環境芸術 : 環境芸術学会論文集 (ISSN:21854483)
巻号頁・発行日
no.12, pp.85-90, 2013-10-26

これまでのパブリックアートにみられるわが国の都市空間におけるさまざまなアートのあり方と、今日の都市空間において多様な展開を見せているマンガやアニメなどのキャラクターのあり方を包括的に比較し、それぞれの都市空間における役割や存在意義を考察し、明らかにすることが目的である。わが国のパブリックアートは、都市景観の向上を目的として、野外彫刻を中心にスタートした。その後、文化的、教育的な役割に加え、都市の不動産価値の向上や地域の活性化まで、実に多様な役割を担うようになり、その目的は多様化してきた。また、それにともなって都市空間との関係性も、次第に多様になってきている。それに対して、マンガやアニメなどのキャラクターを都市空間に導入される際に期待されている役割は、地域の活性化あるいは集客力のアップという点において共通しており、比較的単純明快である。役割が明快な一方で、都市におけるこうしたキャラクターの存在形態は、集客の核となる施設または巨大な彫像、アプローチを飾り演出する造形物、地域へのアクセスを提供する車両など、複合的なメディア展開をみせている。またその実施主体も、自治体や公共団体、草の根的な市民活動など多様である。都市空間におけるサブカルチャーとしてのマンガやアニメなどのキャラクターは、単に地域の集客力を向上に寄与するという当初の目的を明らかに超えはじめている。サブカルチャーの物語の受容を促すことを通して、地域の歴史や風土・伝統に触れる機会を提供し、ハイカルチャーとしてのパブリックアートと同様に、都市におけるモニュメントとしての特質を獲得している。
著者
近藤 晶
出版者
環境芸術学会
雑誌
環境芸術 : 環境芸術学会論文集 (ISSN:21854483)
巻号頁・発行日
no.12, pp.39-42, 2013-10-26

筆者はこれまで、Web上でのインタラクティブなコンテンツを制作するため、WebカメラとActionScript3.0を使用してきた。このWebデザイン業務で培った技術や知識を応用し、福井市の地域活性化プロジェクトなどでインタラクティブアート作品の制作・展示を行っている。最初の作品は単純なプログラムであったが、機能の追加・修正を行った結果、Webデザインで使用される技術を用いた制作手法に一定の可能性を確認することが出来た。以上のことから、2011年に行われたシンサカエ・ナイト・ミュージアムと2012年に行われた上味見雪まつり前夜祭の制作研究報告を行う。本論文では二つの作品に使用したプログラムの概要とそれにより可能となった視覚表現について説明すると共に、鑑賞者の行動の変化について報告を行う。
著者
本田 悟郎
出版者
環境芸術学会
雑誌
環境芸術 : 環境芸術学会論文集 (ISSN:21854483)
巻号頁・発行日
no.11, pp.80-86, 2012-11-24

本論では、今日のアートプロジェクトにみられる人々と芸術作品との関わりについて、理論的背景から考察を加えた。特に作品受容の理論のなかでも作品と鑑賞者の関係を捉えた二名の論述から検討をする。アメリカのジョン・デューイ(John Dewey/1859-1952)とイタリアの美学者ウンベルト・エーコ(Umbert Eco l932-)である。また、日本におけるアートプロジェクトの展開を踏まえ、筆者も協力し2010年に栃木県宇都宮市で開催された比較的小規模なアートプロジェクトを一事例に挙げ、考察の対象とする。本研究では、創造性が表現と鑑賞の両面において発揮されることを前提とするが、特に鑑賞においては、美的経験が作用しコミュニケーションが誘発される。このような特徴は通常の作品鑑賞よりもアートプロジェクトに顕著だと言えよう。本研究は、日常の生活と密接な今日のアートプロジェクトにおいて、作品鑑賞の意味がどのようなものに変貌したかを考察し、芸術作品の鑑賞やアートプロジェクトの創造的な価値を根拠づける理論的考察である。
著者
竹田 直樹 八木 健太郎
出版者
環境芸術学会
雑誌
環境芸術 : 環境芸術学会論文集 (ISSN:21854483)
巻号頁・発行日
no.12, pp.77-84, 2013-10-26

本研究は、都市空間に進出したサブカルチャーコンテンツの類型化と整理、ならびに、こうした事例の人々による受容形態の類型化と整理を試み、サブカルチャーコンテンツの都市空間における性質の一端を考察するものである。フィクショナルな物語として製作され、受容されてきたサブカルチャーは、これまで、現実世界とは無関係な存在であった。だが、その受容者は、このところ現実世界をそのフィクショナルな物語に沿う形で、読み替えてとらえるようになっている。ついには、その読み替えは現実世界に、実体のある彫像や建築や環境や施設となって設置、建設、保全されるようになり、現実世界は書き換えられている。都市空間に進出したサブカルチャーは、単なる余暇の娯楽にとどまらず、日常の生活に深く浸透した、新たな信仰の対象とも言える地位を確立しつつあるのかもしれない。
著者
大塚 姿子
出版者
環境芸術学会
雑誌
環境芸術 : 環境芸術学会論文集 (ISSN:21854483)
巻号頁・発行日
no.10, pp.63-70, 2011-10-15

音楽の世界が環境と大きく関わるようになったのは、ケージの思想、その後のサウンドスケープの登場があってのことである。環境と芸術の関係性がより重要になってきている現在、それに続く思想、実践はどのような方向に向かっているのか、そして環境とは何か、この難題にそろそろ取り組まなければならない時が来ている。本研究では20世紀現代音楽史上の環境と関わる試みを再考察し、環境の認識の変遷を明らかにする。また環境芸術、環境デザインといった領域における環境の捉え方に対する考察も同時に行なうことにより、現在の環境に関するアーティスティックな実践の方向性について探っていく。さらにサウンドスケープ的な視座にとどまることなく、独自の思考を押し進めている民族音楽学やサウンド・アートの分野での環境と関わる研究、実践についての検証を行った。その結果、音が人間および他の生物を含む環境を理解し、自らをそして他者を位置づけ、存在するための重要な媒介としての役割を果たしていること、またそれを明らかにすることが自らの実践であるとしているアーティスト達の志向を確認することができた。そしてこのような実践がどのような意義や価値を持つのか論じると共に、今後の展望についても考察を試みた。
著者
郷 晃
出版者
環境芸術学会
雑誌
環境芸術 : 環境芸術学会論文集
巻号頁・発行日
no.3, pp.13-16, 2003-10-22

近年"回廊"というテーマで石材を主とした彫刻表現の制作を行って来ている。これらは、純粋な表現制作の発表である。本稿では、もっとも最近に行った個展における発表までの流れの中で石材という素材を扱う意味と、過去に手がけた環境造形の制作と彫刻表現の制作発表との関係について述べたものである。2)"素材と内包されるもの"においては、制作を通して見出してきた素材の持つ特性や意味が表現につながる制作概念について述べて行く。3)"時間の回廊"においては、1999年に手がけたモニュメントプロジェクトについて、制作のヒントとなった物証と私的な彫刻表現との関係に付いて述べて行く。4)"回廊....記憶の水脈"においては、2002年秋におこなった個展について、表現の拠り所となったものを述べて行く。こうした制作の流れを振り返ることによって彫刻の制作発表と公共性という条件の中で成立する環境造形の2つに対する考え方とその関係性を述べるとともに、これを以て自身の制作研究報告としたい。
著者
高橋 靖史
出版者
環境芸術学会
雑誌
環境芸術 : 環境芸術学会論文集 (ISSN:21854483)
巻号頁・発行日
no.8, pp.29-36, 2009-03-31

本稿では思考と実践の絶え間ぬ繰り返しである私の彫刻制作を論拠に、肉体と世界と彫刻とがどのように関係し合っているかを論述した。肉体は主体と外界の境界であり、同時に両世界をつなぎ合う媒体でもある。こうした肉体と世界の両義的、相互依存的な関係を肉体と物質が直に触れ合う制作により探り、形象化する試みが「私の彫刻」である。まず、身体と世界の関係性を巡っての彫刻制作には、ポジショニング(位置取り)が重要である。ポジショニングとは主体と世界の接続の仕方のことであり、私という主体が身体ごと彫刻素材の中に入り制作するというポジションを取ることで、彫刻はメディウムとして機能し、身体-彫刻-世界の関係を結べると考える。世界の側から彫刻を見てはいけない。彫刻を外側からオブジェクトとして見るのではなく内側から関係性として見なければならない。つまり彫刻とは主体と世界の間に介在し素材に形をあたえる手段により両者を媒介するメディウムという事物なのである。こうした制作のポジション、彫刻のポジションに基づいて、制作した作品から具体例として五作品を揚げて制作研究の報告をした。その全てにおいて私がめざしたのは「身体を型取った、古着、ラテックス、ギプス、段ボールなどを積層して、見るものがその中に入り内と外、身体と空間、主体と世界を関係づける彫刻をつくること。」である。
著者
竹田 直樹 八木 健太郎
出版者
環境芸術学会
雑誌
環境芸術 : 環境芸術学会論文集 (ISSN:21854483)
巻号頁・発行日
no.8, pp.1-7, 2009-03-31

彫刻設置事業における既成作品購入型とは、既成の作品の中から適切なものを選択・購入し、設置するという、きわめてシンプルな作品選択の方法である。この方法では、原理的に作品内容の中に設置場所との関連性は含まれず、設置される作品の内部にサイトスペシフィシティーは必然的に生じない。本論では、最初に計画的で継続的な彫刻設置事業に既成作品購入型の作品選定システムを取り入れた1973年からの長野市、その前後に行われた旭川市の設置事業、そして1978年から81年にかけて横浜市により大通り公園で実施された設置事業を分析対象とした。なお、この分析過程において、田村明の言説は重要である。その結果、既成作品購入型は、モニュメント性が希薄な作品が得られるという点で、自由主義社会にふさわしい作品選定方法として捉えられていたことがわかった。しかし、冷戦が終結し、バブル経済が崩壊した後の社会では、それは意外にも「自由主義の推奨する芸術」を賛美し、あるいは「高価で贅沢な商品」を賛美するモニュメントに変質してしまった可能がある。
著者
丹治 嘉彦
出版者
環境芸術学会
雑誌
環境芸術 : 環境芸術学会論文集
巻号頁・発行日
no.4, pp.9-16, 2004-11-11

2003年10月4日、新潟県豊栄市早通地区の稲刈りが終わった田園において、新潟大学教育人間科学部芸術環境講座・丹治研究室の学生と地区の住民が、自分たちで作り上げた1200本の風車を田圃に植えるプロジェクトを行った。秋晴れのもと、学生と早通地区の人達が田圃に集って行われたこのプロジェクトは、「早通風車プロジェクト」と称されて10月9日までの間、澄みきった青空のものと早通りに吹く風の中、田圃を訪れた人の目を楽しませた。また、このプロジェクトは風車を田圃に植えるだけの単発のものではなく、早通各地において早通の人達と様々なワークショップやスタンプラリー等の活動を約半年をかけて実践したものである。こうしたアートを媒介としたアートプロジェクトの実践の流れを振り返ることによって、アートプロジェクトの意義と共にその可能性探ってみたいと思う。これを以て自身の研究報告としたい。
著者
山田 良
出版者
環境芸術学会
雑誌
環境芸術 : 環境芸術学会論文集 (ISSN:21854483)
巻号頁・発行日
no.9, pp.53-56, 2010-03-31

自然環境における風景を、造形作品を通してどのように見せるかという考察を続ける一方、作品をつくる側として、風景を喚起させる空間とはどのような状態のものか、作品そのものが鑑賞者にとっての風景となりうるかという考察を継続している。本論では、風景を喚起させる空間インスタレーションの制作研究として、空間知覚の概念と実例を(1)動きをアフォードするインスタレーション(2)肌理・テクスチャーから解放されたインスタレーションと二つに分類し論じた。またこの概念を通じての筆者による《Pemetrate Garden》《Vertical Landscape》の二作品を報告した。今後は、素材の選択・鑑賞者との関わり方・制作方法などに関して複数の造形アプローチをパラレルに実践することで、多様な試行を継続する必要があるだろう。「風景」の知覚をもとに作品を考えることで、これまでよりさらに鑑賞者と密接な空間を成すことができると考えている。